ひょうごはじまり館

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3-6.

町のにぎわい

西国街道や船便を利用する旅人や参勤交代の大名、さまざまな商売に従事する商人たち、各地をめぐる船乗りたち、多くの人々がこの町を行き交いました。兵庫津ひょうごのつの町へ西から入ると、まず柳原界隈かいわいに花街があり旅人を迎えます。その東側の神明しんめい町から小広こびろ町には本陣ほんじん旅籠はたごなどが集まっていました。街道の曲り角には高札場があり、街道沿いにはさまざまな商店が軒を連ね、多くの人々でにぎわいました。町の中には多くの寺社仏閣があり、生田神社の祭りである神幸祭しんこうさいや、嘉永5年(1852)におこなわれた雨乞あまごい祭りなどの祭礼が町の人々により盛大におこなわれました。また酒造さけづくりも盛んであり、天保15年(1844)の記録によると、37件の酒屋がありました。この他、北風六右衛門きたかぜろくえもん家が醸造じょうぞうした「北風」は上質の酢として広く知られ、高値で取引されていました。酒や酢の醸造が盛んであった兵庫津では、必需品であるたるの生産も盛んでした。兵庫津での酒造りが途絶えた後も木桶きおけづくりにその技術が残っていました。